日本人は昔から犬を飼うことが多く、古くから犬のしつけにも力を入れてきました。しかし、そのしつけ方法には現代の観点から見ると問題があるものもあります。ここでは、日本人が昔にやってしまった犬のしつけのうち、特に古いものとして知られる10つを紹介します。
1. 目隠し訓練
犬のしつけの一環で目隠しを行う方法がありました。これは犬に聴覚を集中させるために行うもので、目隠しをした状態で餌を探させることで犬の集中力を養うと考えられていました。しかし、現代では犬のストレスにつながり、推奨されていません。
2. 背伸びさせる訓練
犬を立っている状態で手で持ち上げ、背伸びさせることで姿勢を正す訓練がありました。しかし、犬にとっては不自然な姿勢であり、腰や関節に負担をかけるため、健康面で問題があります。
3. 毛引き抜き訓練
犬の毛を引っ張って痛みを与えることで、服従させる訓練がありました。しかし、犬にとっては苦痛であり、傷や炎症を引き起こすことがあるため、現代では禁止されています。
4. 躾のための殴打や叩き方
昔は犬に対して叩くことで服従を促すと考えられていました。しかし、犬は暴力に対して恐怖心を抱くため、強いストレスを受けることになります。
5. 声を出させない訓練
犬が声を出すことを禁止するため、マズル（口輪）をする訓練がありました。しかし、犬は吠えることをコミュニケーションの一つとして行うため、声を出せないというストレスを抱えることになります。
6. 餌取り合いの訓練
複数の犬が同じ餌を奪い合わせる訓練がありました。これは犬同士の順位を決めるために行われていましたが、暴力や傷つきの原因になるため、現在では避けられています。
7. アルファドッグ理論
犬の訓練では、犬のリーダーとなる「アルファドッグ」を作ることが重要視されていました。しかし、現在では犬と飼い主の信頼関係を築くことが大切と考えられています。
8. 表情の訓練
飼い主が顔をしかめたりすることで、犬に恐怖心を植え付ける訓練がありました。しかし、犬には人間の表情を読み取る能力がないため、混乱を招くだけです。
9. 過度な躾
犬には犬としての本能があり、それを抑えようとする躾は強いストレスを与えることになります。また、躾をし過ぎることで自信を失う犬もいます。
10. 愛情を求める訓練
犬を叱ることでその懲りない態度を改めさせるため、飼い主が離れたり、無視したりする訓練がありました。しかし、犬にもストレスを与え、信頼関係を損なうことにつながります。
以上が、日本人が昔にやってしまった犬のしつけの一例です。現在では犬の行動学や健康面から、これらの古いしつけ方法は見直されています。犬のしつけは飼い主が愛情をもって行うことが大切であり、犬との信頼関係を築くことが最も重要です。
