『花咲か爺さん』は、日本の昔話の一つです。この話の主人公は、老夫妻と一匹の犬です。
ある日、老夫妻は山で働いていると、可愛い小さな犬を見つけました。その犬はとても可愛らしく、老夫妻はそのまま家に連れて帰りました。すると、その翌朝、庭の草木が一気に花咲き、家の周りには美しい花畑ができていました。老夫妻はとても驚きましたが、その犬が鈴を鳴らすと草木が花を咲かせ、鈴を揺らすと花が散ることを知りました。
老夫妻はその犬を「花咲か爺さん」と名付け、大切に育てました。しかし、村の人々は花咲か爺さんが持っている鈴で自分たちの家の周りにも花を咲かせられるのではないかと欲を出し、強引に花咲か爺さんを奪おうとしました。しかし、花咲か爺さんは鈴を鳴らすことでその村に美しい花畑を作り、村人たちはその美しさに驚き怖れました。
老夫妻は花咲か爺さんが大切なものだと心得、決して鈴を鳴らさないように言い聞かせました。そして、花咲か爺さんは老夫妻の愛情を感じ、優しい心を持つようになりました。
ところが、ある日老夫妻が亡くなってしまいます。花咲か爺さんは寂しくなり、再び鈴を鳴らして花を咲かせました。しかし、老夫妻の遺言通り、花咲か爺さんは村人たちに鈴を返し、自らは山奥へと去っていきました。それ以来、村には花咲か爺さんが残した美しい花畑が残り、誰もがその美しさを讃えました。
この昔話は、犬の優しい心や人間の欲について教えてくれます。犬は人の心を映し、愛情を与えると心を開き、優しい心を持つことができるのです。そして、欲を捨てて心身の健康を大切にすることが大切だという教訓も込められています。犬との暮らしは、愛情を与えることでより豊かなものになるということを教えてくれる昔話です。
