「国が守る犬」とは、日本で特に愛されている柴犬のことを指します。柴犬は日本に古くから存在し、主に猟犬や牧羊犬として使われてきました。そのきりっとした表情や活発で元気な性格、そして忠実な姿勢から、多くの日本人に愛されてきました。
しかし柴犬が文化財として認定されるのは、どういうことなのでしょうか。実は柴犬は、日本の文化的な価値を表すものとして、平成12年(2000年)に国の天然記念物に指定されました。その理由は、柴犬が日本の歴史や伝統的な文化に深く根付いていることにあります。
例えば、古代日本では柴犬が上流階級の人々の愛玩犬として飼われていました。また、古くから伝わる日本の伝統的な絵画や浮世絵にも柴犬の姿が描かれています。さらには、日本の伝統舞踊や歌舞伎でも柴犬が舞台に登場するほど、日本の文化には欠かせない存在となっています。
そんな柴犬が、日本の文化を象徴する存在として国の文化財に指定されたのです。文化財に指定されるには、その文化的価値や歴史的意義、保存状態などが国の基準に適していることが求められます。その点で柴犬は、日本の文化に深く根付いた犬種であると認められたのです。
しかし、柴犬の文化財指定は皮肉なことに、柴犬が国内の減少している状況を象徴するものでもあります。日本では現在、柴犬を飼育する人からの需要が高まっており、品質の良い子犬の販売価格も高騰しています。そのため、流通の際には偽物や品質の悪い子犬が混ざってしまうなど、柴犬の文化財指定が日本の柴犬の保護にも役立つと言われています。
愛情深い飼い主から見守られ、国家にも守られる柴犬。その愛らしい姿と文化的な価値は、今後も日本人にとって大切なものとして守られていくことでしょう。
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